噺の舞台を歩く

落語の舞台を訪ねるこのコーナー。
第1回目は古典落語の『鉄道戦国絵巻』です。

あらすじ
突如、東横線が東急電鉄を脱退しJRに寝返った!
未曾有の危機を乗り越えるため、残されたものは立ち上がった。

今日は、この噺の主戦場となる池上線沿線を取り上げます。

東京にも桜の便りが届いた3月21日。
花の香りに誘われて池上線を訪ねました。

池上線とは
五反田~蒲田間を結ぶ
いまだに3両編成
五反田と次の大崎広小路間が極端に短い
こんな電車です。


度肝を抜かれた新型車輌。迷彩?

まずは五反田駅からスタート。

山手線の頭上、地上4階に池上線のホームはあります。
街のはるか上を”ズドンズドン”と音を立てて行き来する様は、
『天空の城ラピュタ』の鉱山鉄道のようです。

ホームからの景色は素晴らしいものがあります。
大崎方面を眺めて下さい。
目黒川をまたいでJRの4本の線路がまっすぐに伸び、
その先には高架の上を新幹線が流れ、
さらに頭上を羽田空港から飛び立った飛行機が行く。
そんな光景を見ることが出来ます。(夜は特に素敵です。)

私はこの噺の作者に言いたいのです!
五反田をけなすな、と。
ここに立てば彼もきっと改心してくれることでしょう。

終点は蒲田駅です。

蓮沼駅を過ぎると、
目黒線と分断された悲劇の電車、多摩川線が右側から近づいてきます。
沿線ののどかすぎる風景のせいで麻痺した眼には、
蒲田駅はとてつもなく大きく見えます。

東急発祥の地にふさわしく、ど派手なステンドグラスが迎えてくれます。


セロファンを貼ったわけではありません。


蒲田の人たちはこの色合いが好きなようです。


やっぱり好きなんですね。

いよいよこの噺のクライマックス、御嶽山駅にやって来ました。

JRと東急電鉄が直接対決をする御嶽山の合戦の地です。
ここはホームの真下を新幹線が走っている珍しい駅。


池上線に頭上をまたがれるという、
新幹線史上最大の屈辱。

池上線沿線には常識では考えられないものがたくさんあります。


石川台駅の非常用インターフォン。
“旗の台駅係員が応対いたします”


世界最小の米店。

こんな池上線ですが、都心では珍しくなった木造の駅舎が残っています。
駅前の商店街からそのままホームに行ける気軽さは、
都会のオアシスのようです。


木のイス。見よ、この低さ、この角度。


池上線の駅は、木と紙で出来ています。ウソです。

今後は、この噺を彩る脇役陣を紹介して行きます。
お楽しみに!


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