みなさんはナクソスを覚えていますか?
ご無沙汰しております。
ずいぶん前に書いたナクソスのその後が知りたいという
皆さんの声なき声が聞こえてきたので、
久しぶりにCD屋さんへ偵察に行って来ました。
相変わらずの充実ぶりに思わずナクソス豪遊(サイゼリヤで豪遊と同義。)
をしそうになりました。
ナクソスのおさらい
*クラシックの変なCDレーベル(選曲が変)
*馬鹿みたいに安い(新譜でも平均1枚¥1000ぐらい)
*帯に書かれた曲目紹介がとんでもない
(読んだ瞬間欲しくて仕方がなくなる)
デビッド・ラング「ピアス」
このCDの宣伝文句は
「これは痛いけど気持ちいい!変拍子の嵐が体中を突き抜ける快感」
気持ちは分かりますが、よりによってこのピアスとは!
どうです、思い出していただけましたでしょうか。
今回もこの素晴らしい曲目紹介を皆さんと一緒に味わいたいと思います。
CD屋さんでのナクソスサーフィン(ナクソス専用棚に並ぶCDの帯を一日中読みふけるの意。もちろん気になったものは買いますよ!)の際に出会った
珠玉の名品たちを堪能しましょう!
○キラル(ポーランド・1932年生まれ)「合唱曲と管弦楽曲集」
曲目①クシェサニ ②アンジェラス ③出エジプト記 ④ヴィクトリア
「最大の問題作③は必聴の20世紀音楽です。」
いきなり”問題作”、さらに”必聴”という言葉が期待を煽ります。
「聴き始めてすぐ、ラヴェル「ボレロ」のパクリである(しかもいまいちノリが悪い)ことに気づきます。」
だんだん雲行きが怪しくなってきました。
「なかなか加わらないなと思っていた合唱は終わり近くで入り、クライマックスでは高らかに本物のボレロのリズムが登場(ここまでやるか・・・)。」
「はやく合唱出てこないかな~」
ひょっとして、飽きてます?
「面白くなきゃ音楽じゃないという享楽的鑑賞派なら大感動間違いなし。」
“享楽的鑑賞派なら”という限定付の太鼓判です!
「ただし、効き目には個人差があります。」
しかしそこはナクソス、フォローも忘れません。
「②は合唱による詩の朗読で始まり、難解な現代音楽かと思いきや、
これが平穏で敬虔な曲想。真摯な感動を音楽に求める人でもOK。」
③で感動した方、あなたは”真摯な感動を音楽に求める人”失格ですね。
実際に聴いた人の感想
「とても楽しく聴かせていただきました。
最後にボレロの♪タンタカタタン、タカタタンタン・・・というリズムが
“ハーレルーヤ”という歌声とともに惜しげもなく披露された時には
思わずガッツポーズをしてしまいました。
これからも迷わず享楽的に生きていこうと思います。」駒次
このほかにも宝石箱の中のようにキラキラした言葉たちが踊っています。
「本気ですか?冗談ですか?100年以上生まれる年を間違えた作曲家。」
(シュミット=コワルスキー「交響的な創作集」)
注)生まれるのが早すぎたのではなく、遅すぎたそうです。
「ヴィラ=ロボスではありません。ビラ=ロホです。」
(ビラ=ロホ「協奏曲集」)
「最後の「ドン!」はちょっと心臓に悪いぞ。」
(コリリアーノ「サーカス・マキシマス他」)
「阿波踊りもびっくり」
(チシチェンコ「交響曲第7番」)
また1年後あたりに思い出したら特集しましょう!