落語を作っていて煮詰まると、
かみさんの買ってきたファッション誌に手が伸びます。
こないだ某銀座を読んでいたら
気になるコーナーがありました。
「私の彼はスポーツ選手」というもので、
練習中の彼を見ている彼女という設定です。
彼はテニスプレーヤーなのですが、
男の駒次から言わせると
テニスはないわ〜と思います。
この設定だったら、テニスのような個人競技ではなく、
絶対団体競技であるべきです。
だって、
一枚目の写真を見てください。
スタンドにこんな人がいたら、
グランドの男達は「おいおい、あの奇麗な人、誰見に来てるんだよ。」
と色めきたつはずです。
ひそひそ声で話すかもしれないし、
心の中で思いながらチラチラ見るかもしれません。
そんな中にただひとり、見に来られている彼がいるわけです。
その彼が心の中で「へっ、あの子はな、俺を見に来てるんだぜ。」と得意げに思う、
その時に、それが個人競技だったらつまらないじゃありませんか。
だって、ひとりで思うだけですもの。
団体競技ならば、
まわりが色めき立っているのをひしひしと感じながら
「俺の彼女だぜ。」と思えるんですよ。
ものすごい優越感です。
2枚目の写真だってそうです。
練習が終わって「いやー疲れたな〜。」とか
言い合いながら部室に引き上げてくる視線の先に、
さっきの人が立ってる。
それを見てまた色めきたちます。
「え?なに?まさか俺に告白だったの?」と全員が思った時に
女の人が「お疲れ。」と笑顔で言う。
「え?俺に?」と勘違いして「お疲れ!」と全員が答えようとするより0.1秒早く、
本命の彼が「なんだよ、部室には入ってくるなって言ったろ。」と返すのです。
しかも、本当はものすごく嬉しいのを隠して、
その上、他のみんなに聞こえるように言うんです。
ものすごく気持ち良いでしょうね。
さらに持っているビニール袋には
2人分の飲み物や果物らしきものが入っています。
他の男達はそれにも追い討ちをかけられるはずです。
これが個人競技だったら、部室にはひとりで帰るだけなので、
全然つまりません。
だから絶対にこの場合は、団体競技にすべきです!
と某銀座に誰か伝えておいてください。
おやすみなさい。
この妄想力こそ、新作を作り出す源と拝察いたしました^^。
こんなことを考えているから、落語がなかなかできないんだと思います。