鶴見線に誘われて・・・

皆さん、お元気ですか?
なまけものの駒次です。
今回も長いので、覚悟してください。

先日、我が家でテレビ東京の土曜スペシャル
「この冬は湯治場で・・・ほっこり癒しの旅」を見ていると、
なんと高須クリニックの院長と岩井志麻子と西原理恵子が混浴をしていました。

そんな光景を目の当たりにしたからか
無性に異世界との交流がしたくなり、
地図を開くと鶴見周辺のページが出てきました。

これは鶴見線に乗れという魔界からのお告げだと思い、
さっそく乗りにでかけました。


念のため、晴明神社のお守りも持参です。

鶴見線とは?
*鶴見を起点に扇町、大川、海芝浦などを結ぶ。
*京浜工業地帯を2両編成で駆け抜ける。
*カラーは黄色、白、水色の歯磨き粉色。

実は以前、鶴見線に乗ろうと試みたことはありました。
しかし鶴見からではなく南武支線経由で入ってしまったため、
その毒気にやられて辿り着くことができませんでした。


南武支線への乗り換え駅。尻手(しって)。
埼京線になくて良かったです。


ダメだって!


尻手駅付近のタバコ屋さん。
この後、一歩も動けなくなった。

その教訓を生かして、今回は鶴見から乗り込みます。
出発してすぐ、JRと京急線の10本のレールをまたぐと
国道駅に到着です。


港が近いことが偲ばれ胸が高鳴ります。

高架のホームからは青空の下、
港をまたぐつり橋の真っ白な支柱も望まれ
さわやかな気分です。

ところが階段に一歩足を踏み入れた瞬間、
無意識にお守りを握り締めている自分に気がつきました。


アーチの底に沈む謎の世界。

そこには海底に取り残された古代都市のような光景が広がっていたのです。


コンクリートの海に埋もれて朽ちる木々。


神奈川県公認。


建物を健気に支える石。

尻手以上の衝撃を受けたじろぐ自分を鼓舞し、
再び鶴見線の奥地へ分け入ります。

次に名前に惹かれて降り立ったのが安善(あんぜん)駅。

ここなら安全だろうと海のほうへ歩き始めました。

ダメです。
やられたようです。
国道のアーチの連続の妖気にあてられたようです。

連続が次々と襲ってきます。
連続ハラスメントです。


タンク、タンク。


タンク、タンク、タンク!


ドラム缶、ドラム缶、ドラム缶!
街灯、街灯、街灯!


煙突、煙突、煙突、そして市松模様!

近所の人も連続ハラスメントの影響をもろに受けています!


一軒の床屋さんに3本のグルグル!

安善とは名ばかりの町を転がるように逃げ出しました。

読んでいる皆さん同様に疲れきった私を乗せた鶴見線は、
浜川崎駅に滑り込みます。

しかし、どこまでも追いかけてきます。


ノーッ!

どうにかこうにか扇町駅に辿り着いた私を待っていたのは・・・。


クレーン、お前もか・・・。


夕日をバックに。

このような目にあって誰もが厭世的な気分になるのか
ホームのベンチの下にはこんなものがありました。


沢の鶴。フタを閉める気力もなかったのでしょうか。

でも、天は私を見捨てませんでした。
すっかり日が落ちて、海芝浦駅のホームに降りたときです。

先ほどよりも強く漂ってくる潮の香り。
かすかに聞こえるザブ、ザブ、という音。
ふとホームから見下ろすと、
そうです。
この駅は、ホームのすぐ脇が海(海水の流れる運河)なのです。

グルングルンと唸りをあげて闇の中を進む船、
向こう岸には鶴見つばさ橋。
人の字の形の大きな支柱が2本、うっすらと緑にライトアップされています。
その先にももう一つ、青い光を映したつり橋が見えます。

ああ、ここまで来てよかったな。
心を落ち着かせて見れば、こんなに素敵な場所があったんだ。
魔界だ妖怪だと騒いでいただけなんだ。

そんなことを思う私に、
夜の終着駅で鶴見線は優しい素顔を見せてくれました。


大川駅にて。


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