駒次第一詩集発見
20世紀最大の発見と言われた死海文書以来の大発見!
先ごろ、駒次宅の本棚裏から
駒次が10代最後の夜に自費で上梓した詩集が出土した。
表紙は黒一色(一部ピンクの枠にNOTICEと書かれている。)で、
当時の暗黒の心情が表現されている。
内容は、恋の悩みを原動力にした熱情的(ストーカー的)な文句が、
延々とつづられている。
世紀の発見を記念して、その一部がおしげもなく公開された。
注:鳥肌ものです。最後まで読めたらすごいです。
『サテライト』
つきが、地球を見下ろしてる。(①)
地球のこと全部、知ってるような顔で。(②)
けれど、永遠にふれ合える予感もないような顔で
つきが、地球を見下ろしてる。
暗い夜道が明るい理由も
海の潮の満ち干きも
自分の仕業だって
君さえ気づかないほど弱々しく
無表情に、主張してる。(③)
自分の居場所を知らせる手段さえ持たずに
誰かの助けを得てもなお(④)
見上げなければ、気づかぬ輝きしか持たないぼくは(⑤)
君がくれた光でさえ、深い闇に変えてしまう。
君とすれ違って、君を追い越して、
君から目をそらして、君から立ち去って、
君としゃべらないけれど、君に笑いかけないけれど、
ぼくは言ってるんだ、此処にいるって。(⑥)
ぼくが、君を見つめてる。
ずっと遠くで、見つめてる。(⑦)
脚注
①自らを月に例える手法は、当時心酔していたCHAGEから拝借。
ASKA(太陽)に対してCHAGEは自らを月に例えた。
駒次は目が細いということからCHAGEに親近感を感じていた。
②どんな根拠があんねん。
③だから、根拠はなんやねん。
④友達はいたらしい。
⑤「なあ、駒次が話があるって。」
「え?駒次?誰それ。」
⑥ぜんぜん言ってないじゃん。
⑦電信柱の陰から、見つめてる。
日本に失望し、”自分探しの旅”へ。
現地の人にまぎれる。
インドネシア・ジョグジャカルタにて。